【夜中に顔が痛くなる少年】
小学6年生、男子。
主訴は、「夜中に右の顔が痛くなる」ということでした。
運動会の組体操ピラミッドで、上層より落下。
後頭部に傷を負い、外科を受診。
骨に異常なく、内出血もわずかなので、外傷の処置のみで帰宅。
消毒のために、何日か通院して傷は完治した。
しかしその後、夜中になると右顔面の痛みを訴えるようになった。
最初に受診した外科では、原因は不明。
脳神経外科を紹介された後、大学病院にて診察したが、原因は不明。
心療内科での診察を勧められたが、なんだか違う気がして知人に相談。
ご縁があって、当研究室に来られました。
母親は「子供が精神的におかしいのでは?」と思うようになり、夜中に自分まで起こされるので、少々ノイローゼ気味だと言います。
問診で痛む部分を聞くと、右の三叉神経第一枝と第二枝領域を示したので、右頚部上外側を押してみると、顔を歪め、かなり痛そうです。
「今までここを誰か触った?」
と尋ねると、誰も触っていないとのこと。
軽い鍼刺激を加えた後、頚椎の矯正を行い、初回の施術を終了しました。
1週間後に再診すると、
「治療を受けた夜から、痛みで起きることがなくなりました」
との報告を受けました。
しかし、頚部上部の圧痛は残存していたので、その後数回、治療を継続しました。
完治した後、しばらくして彼の母親から電話がありました。
もうすぐ中学生になる子供が、
「村上先生の仕事は何という仕事なのか?どうすればなれるのか?」
と言っているとの相談でした。
驚きと喜びと気恥ずかしさの入り交じった気持ちの中、「柔道整復師と鍼灸師」という仕事で、大学か専門学校に行って、国家試験に合格すれば成れることをお伝えました。