【自殺まで考えるムズムズ症候群】

 

 

60代、女性。

 

主訴は、頚部から臀部(お尻)下部までのムズムズ感。

 

痛いでなく、痒いでなく、何とも表現が難しく、うごめく「多数の虫」に背中の内部を食われているかの様だと表現されます。

 

毎晩、その気持ち悪さで目を覚まし、じっと耐えるのだそうだ。

 

しかも、症状は20年近く続いている。

 

 

整形外科、脳神経外科、大学病院と医師の指示通りに受診。

 

診断は、「ムズムズ症候群」の疑い。

 

出された薬は、「デパス」でした。心療内科で、よく出される薬です。

 

 

問診で詳しくお聞きすると、20年前に階段から滑り落ち、額に傷が残るほどの怪我をし、しばらく目眩に苦しんだ事がわかりました。

 

本人曰く、「それ以降すべてがおかしくなった」そうです。

 

 

鍼灸療法にて、首から腰臀部を施術した後、頚椎を矯正して初回治療は終了。

 

 

一週間後に二回目の治療。

 

施術が終わったところで、突然患者さんが泣き始めました。

 

 

私も驚きました。どうしてのかを尋ねると、、、

 

「症状は残っているますが、明らかに軽くなっています。20年間、本当に苦しくて、誰にもわかってもらえず、、、正直、自殺を考えていました。でも、やっと光が見えてきました」と言う。

 

 

三回目の来院時には、それまで振り乱していた髪が、美容室にいったのだろう、綺麗なボブになっていました。

 

 

五回目の来院時、「ムズムズ」は、ほぼ消失。夜、眠れるようになったと言う。

 

経過良好につき治癒としました。